夏の記憶


フジサンに初冠雪と聞いて車を走らせた。朝から上天気、これなら・・・と言いながらフジの麓に向かう。
ところが途中からフジサン方向にSLの煙を思わせる黒い雲、かたやイズ半島上空にはソフトクリームを思わせる積乱雲がいく筋も立ち上がっている。
と、来ました、来ました、これがゲリラ、ウワ〜、前が見えない! ひとしきりゲリラ雨に歓迎された後はガスであたりは真っ白。それでも「フジサンフェチ」の写友達は行く気満々。なんでも今日は夜空をも撮ると言う、冗談でしょ? こんな天気で?


ガスが薄くなった頃、すでに陽は落ちていた、外を見るとなんとこんな景色の中にいた。
夏の空気を洗った雨は名も知れぬ灌木に痕跡を残し、夏の彼方に過ぎ去っていた。